今回は、私が15年のあいだ心から愛し続けた愛猫「やしゃまる(ヤッコ)」が持っていた病気とその体験についてお話ししようと思います。
その病気とは「猫後天性免疫不全症候群」。いわゆる「猫エイズ」です。
私の愛猫(ヤッコ)が体験した症状や苦しみ、そして私自信もヤッコと同じように背負った苦しみと悲しみを正直にお伝えしたいと思います。
この動画は、猫エイズの症状として多く見られる口内炎が出たときのものです。出血がひどくしだいに歯が抜け落ちてしまいました。
いまこの記事を読んで頂いている方がもし同じ境遇の中で悲しみに負けそうになっているのだとしたらぜひ最後まで読んで頂きたいです。
あなたにはまだまだ出来ること、そして大好きな猫ちゃんにしてあげられるコトが必ずあるからです。あなたの愛する猫ちゃんは頑張って生きているのですから。
猫エイズに感染し発症した愛猫を最後まで看取ったからこそ思えるコト
ヤッコはもともと野良ネコだったため、猫エイズにいつ頃感染したかはわかりません。かかりつけの病院で何気なくエイズ検査を受けて感染が判明してから衝撃を受けました。
ヤッコのかかりつけ獣医さんから「猫エイズ」に感染していると聞いたときは、あまりのショックでどうしたらいいか分からず悲しみと絶望でヤッコを抱いてただただ泣いていたのを思いだします。
感染が判明してからもそれに対する治療はありませんでした。というよりも「今の医学では完治させること(直接の治療)はできない」とはっきり言われたのです。
ただエイズ感染が判明してから数年はヤッコにそれらしい症状はありませんでした。
これこそが猫エイズの特徴と恐ろしさだったのです。
猫エイズの恐ろしさ
猫エイズとは長い期間(数年~十数年)かけて病状が進行していく病気です。中には感染はしているけども発症しないまま生涯を全うする猫ちゃんもいるみたいなのです。
つまり感染はしているけれど発症せず健康に暮らせることもあるということ。
しかし、たいていの場合は長い年月をかけてエイズウイルスが細胞に進行し体中の免疫機能を低下させて様々な病気を併発させる恐ろしい病気なのです。
私も今だから思えることがあります。ヤッコは天命を全うするまでにいろんな病気にかかったり、身体に異変症状が現れました。
しかしその症状すべては、その時の診断では特定の「病名」と「処置・対策」が提示され「猫エイズ」のことは一切触れられず忘れ去られていたのです。
・口内炎
・下痢
・謎の出血
・元気がない
・食欲不振
そう、これがエイズのほんとうの怖さだったのです。猫エイズは猫ちゃんの免疫力を低下させていろんな病気を誘発させる大元だったのです。
大切な家族が猫エイズに感染してしまったら全力でやってあげてほしいコト
大切な家族である猫ちゃんがもし猫エイズに感染してしまったら残念ですが治ることは今のところありません。悲しい気持ちは猫ちゃんのためにも一夜だけにしてあげてください。
次の日からは、残された猫ちゃんとの日々を全力でエンジョイしてあげる以外にありません。
わたしは数年前に泣き崩れていた自分自身に声をかけることが出来るのならこう言いたいです。
猫エイズに対する最大の処置方法
私は専門的な知識による対処法をアドバイスすることはできませんので、この先は私が直接お医者さんから聞いたコトや自分で調べたコトを自分なりに行動に移したことだけをお伝えしようと思います。
猫エイズの処置方法
さきほども述べましたが猫エイズは治すことができません。もし感染したら発症させないようにする、正確には発症させるのを少しでも遅らせることぐらいしかできないのが現実なのです。
感染してから発症を遅らせるのと、発症してからも症状の進行を遅らせることにおいて飼い主ができることは同じことのように認識しています。(実際にお医者さんから言われました)
猫に対してなるべくストレスを与えないように生活させるコトです。
これにつきるのです。「何それ…それだけなの?」と思われるかも知れませんが、わたしも何度もお医者さんに相談しましたがこれが現実でした。
ちなみに発症してから出てくる様々な病気(猫エイズとは別のモノ)に対するアプローチに関してはまた別の話になります。その病気を処置したところで大元である猫エイズは完治しないのですから。
・下痢→抗生物質
・食欲不振→点滴
ちなみにエイズ感染が発覚した後に私がヤッコのためにやったことはこんな感じでした。
・つねに家の中を清潔にする
・段差をできるだけなくす
・よく遊んであげる
・よく会話する
・よくなでてあげる
・食事場所を増やす
・トイレを増やす
・快適温度を保つ
猫エイズ最大の対策は感染させないコト
「猫エイズ最大の対策は感染させないコト」これにつきます。治すことができない病気は感染させてはいけないのです。
猫エイズは、生まれる時に母猫からや交尾時にも感染することがあるみたいです。しかしそのほとんどは猫同士のケンカによるものだそうです。
外飼いネコの感染リスクはとても高く、発症時期や症状悪化のスピードも室内飼いの猫と比べると比べものになりません。
猫エイズ感染予防に有効な方法はこの2つです。
ここで気を付けてほしいのは、「エイズワクチン」による効果は100%ではないということです。人のワクチンでも同様ですが感染のリスクを低くすることができるという認識だということなのです。
猫エイズのワクチンを接種したからと言って外に出しても大丈夫とはならないということです。ワクチン接種と完全室内飼いは同じくらい大事な予防策なのです。
猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)ワクチンについて
わたしもヤッコを飼い始めた時からエイズワクチンは接種していました。ただ野良猫として育ったヤッコに自然なカタチでの生活をさせてあげたくてワクチン接種をしているにもかかわらず外にも出してあげるという判断をしてしまっていたのです。
実際、猫エイズと判明されるまでは外飼いの期間が長く続いてしまったのです。
猫エイズワクチンは、合計3回続けて接種しなければいけません。参考までに私が行った手順はこんな感じでした。
「初回注射」
次回2~3週間後に追加接種
1回目と2回目が4週間以上あいたら1回目からやり直し(あと3回接種)
「2回目接種」
初回より2~3週間後に接種
2回目と3回目が6週間以上あいたら2回目からやり直し(あと2回接種)
それ以上あいたら初回注射から3回打ち直し
「3回目注射」
その後1年おきに追加接種
これを血液検査と並行して行います。病院によって違いはあると思いますが料金はこれくらいです。
ワクチン接種が終わると証明書が発行されます。
猫エイズを心配する飼い主さんに知っておいてほしいコト
自分の愛猫が猫エイズに感染しているんじゃないか?感染の事実を知った方、感染した時のために心の準備がしたい方などに知っておいてほしいコトがあります。
冷静に猫ちゃんと向き合える手助けになれればと思います。
勇気をだして猫エイズ検査をする
室内飼い、室外飼いに限らずまずは「猫エイズ検査」をしておきましょう。かなり勇気がいることですが自分の大切な家族が今どういう状態なのかを把握しておくことはとても大事なことです。
血液検査をすることで簡単に陰性か陽性かを知ることができます。検査キットを使ってものの5分くらいで結果を知ることができました。
ちなみに費用は5千円ほどでした。
無症状の期間があるということ
猫エイズには4つのステージがありその中には症状が表に出なく猫ちゃんの健康を装いながらも裏ではウイルスの進行を着々と進めている期間があります。
とくに気になる症状は出てきていないからといって油断はできません。
定期的な「健康診断」と「ワクチン接種」、そして飼い主さんはつねに愛猫の状態をチェックしておかしな行動や気になる症状が出ていないかなどを気にする必要があります。
私がよくやっていたのは、ヤッコを抱いたり遊んだりコミュニケーションをとるなかで身体全体をくまなく撫でて体の変化(できもの・腫瘍・傷・痩せてないか)をチェックしていました。
たいていの病院では猫エイズとは言われない
わたしがヤッコと過ごした中で症状の違う様々な病気になり病院にかかることがありました。納得のいかない時は、セカンドオピニオンなど数か所の病院へ行って違う先生に相談することもありました。
しかし、そのすべてにおいて「猫エイズが関係している」と言われたことは一度もありませんでした。
あまりにも原因が分からない時に私が「もしかして猫エイズが関係しているんじゃないでしょうか」と尋ねると「そうかもしれません」と言われたくらいです。
専門医でもない私が言うのは違うのかもしれませんが、つまり「猫エイズが原因で病気を誘発しているのか、それとは別に単一として病気が発生しているのかは正直なところ専門医でも分からない」ということだと今でも思っています。
少なくともそう感じざるをえませんでした。
つまり、ある病気が完治したように見えても大元である猫エイズが次の病気を誘発してくるという状態なのかもしれないのです。
生活の中で出てくる病気やケガはそのたび獣医師さんの正しい処置を受け完治させることは必須です。そしてそれに加えて大事になってくるのが猫エイズの進行を唯一遅らせることができる日々の生活だと思います。
病気の進行は止められない予防する
何度も言うようですが猫エイズは完治することができなくその進行を遅らせる以外にありません。エイズ検査で感染がされていなかった猫ちゃんにはぜひ猫エイズ予防の策を早急にしてあげてほしいです。
外飼いの猫ちゃんはスグにでも完全室内飼いに変えてあげてほしいです。以前はわたしも自然なカタチで猫ちゃんに生活をさせてあげたいと思うタイプ(外飼い奨励派)でした。
でも自分の愛猫があんなに苦しく長い闘病生活を強いられるとなると考えは一変しました。
「テリトリーさえ守れれば室内でも猫は幸せ」「猫は狩りの本能が放し飼いを求めてる」などいろんな説や意見がありますが、猫のほんとうのキモチは分かりません。
飼い主さんによって室内飼いと外飼いと意見は分かれるかもしれませんが、大好きな飼い主さんと大好きな猫ちゃんとがお互いに幸せな時間を少しでも長く過ごしたいと思うキモチはみんな同じじゃないでしょうか。
それが実現できる可能性が少しでも高くあるのなら私は完全室内での快適な生活を優先してあげたいと思います。
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