統合失調症の幻覚と結末

わたしの記憶

統合失調症の幻覚と結末

まだ父母が離婚する前の話になります。当時すずらん荘というアパートに住んでいて、隣に私たち姉妹と、同じ年齢の姉妹と赤ちゃんがいました。仲良くさせてもらっていて、よく遊んだものです。

ある日の夜、大きな叫び声が聞こえてきました。私はビックリして飛び起き、周りを見回すと父と母もその声で目が覚めたようでした。その声は消えることなく、むしろ近づいてきました。父母はホウキのような長い物をそれぞれ持ち、恐る恐る声の聞こえる外に出ていったので、こわくて心細い私は後をついて行きました。するとそこには、仲良くしてる姉妹の母親が立っていて、うちのガレージを指先し、「いがんどごさ狐へぇっていたすか!そごさ、そごさ、ほれぇ〜、見えね〜どが〜!!ギィャァァァー!!」「○○○○○ー!!」「○○○○○○!!」と、ほとんど聞き取れない言葉と叫び声を上げ、興奮状態でした。

青森なので、狐がいてもおかしくないこともあり、父がガレージの豆電球をつけ確認しましたが、狐など何処にもいない。そう伝えても話を聞いてくれる状態にもない。私の母も賢明になだめるものの、なかなか静まらず困惑している様子でした。

それから離婚やら引っ越しで、姉妹とは疎遠になりました。中学生になってからフっと思い出し、離れて暮らす母に、姉妹はその後どうしたのか聞いてみました。すると、姉妹の母親は育児ノイローゼで施設に入り、子供達は父親が育てているということでした。

姉妹の父親を見たことがなかったので、はなから居ないものと思っていたのですが、関東に単身赴任をしていて、しっかり仕送りをしていたそうです。当時から育児ノイローゼになり、お金の管理や掃除などもできなくなっていたと。見かねた母は私たち姉妹の、お下がりをあげたり、たまに部屋を片付けに行ったり、食事の世話や、お金も貸していたとのことでした。そして母親が騒いだのは1度だけではなく、私が記憶がないだけで、何度もあり近所に相当迷惑をかけていたそうです。

姉妹の家に遊びに行くと、足の踏み場もなく散らかっていて、布団も敷きっぱなしは当たり前でした。台所には使用後の食器が山積みになっていて、赤ちゃんのウンチの匂いで臭かったのもあり、長居をしなかったのを覚えています。

その母親の病気は今でいう、統合失調症です。まだ若い母親が、一人で子供3人を育てるストレスと、側に支えてくれる人もいない寂しさから病になってしまったのかと思うと、やりきれない気持ちになりますね‥

月日は随分とながれ、私の母も‥。

因みに統合失調症は、何かしらのストレスから発症してしまうそうです。そして本人は病だとは気がつかず、幻覚や妄想、幻聴を現実のものだと認識してしまいます。残念ながら統合失調症の原因は明らかになっていないのが現状です。

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